Monday, March 7, 2011

勇敢な日本の若者達

日本では大学入試カンニングとか、草食化だとか就職難だとか、若者の悲しいニュースばかり流れているけれども、ルワンダにいると良い話もあるもんです。先月に引き続き今日は、日本からはるばる世界一周の旅をしている大学生が会いに来てくれました。どちらの青年も、熱い野望と冷静な分析力を兼ね備えて世界を旅して学びを深める素敵な若者!うれしいことに、巷で報道され続ける冷めた若者像とはずいぶん違う印象を残していってくれました。

1人は島根県出身で21歳の早稲田大学休学中の学生さん。バングラデシュで現地の大学生と教育関係の非営利活動を進めていたところ、自分は社会問題をビジネスで解決する社会企業家になりたいのだと決意。ならば現在世界で活躍する社会企業家と実際に会って話をしたいと思いつき、世界一周旅行へ。

もう1人は高校を卒業したばかりの19歳で、大学入学前に1年間かねての念願だった世界一周旅行をしている、和歌山県出身のラグビー部元キャプテン。将来実業家になるため、世界各地で起業家やビジネスリーダーと会って話やアドバイスを聞いて回っている熱いティーンエージャー。

どちらも、ごく普通の一般家庭(しかも地方!)出身の若者ですが、将来自分でビジネスをおこしたい、それならば日本だけじゃなくて世界を若いときから見てみないとダメだ、という結論に至って行動に移しているとっても勇敢な人たち!数週間アジア諸国をバックパック…という日本人学生がよくやる観光旅行ではなく、しっかり1年間目的を持ってアフリカもアメリカ大陸も旅している(もちろん超貧乏旅行で)というところがまたすごいと思う。大変だと思うけれど、ぜひに頑張って欲しいところ。

この2人が残していった世界旅行の感想の中で特に私の心に残ったことが2つ。1つは、国の経済成長に欠かせないのはやはり地元の人がビジネスを始めて地元で雇用を作り出すことだということ。問題山積み=起業チャンス山積みの途上国で自分が起業したいのはやまやまだけど、地元の人がアクションを起こさない限り長期的なインパクトはないようだから、そのバランスが難しいんです、と言っていた。本当にその通りだと思うので、その洞察力にまず感服。そして、ただお金儲けしたい、社長になりたい、と単純に夢見ているだけじゃなく、事業で社会問題を解決したいと真剣に考えているところに、感動。

2つ目は、どこの途上国に行っても日本はビジネスで完全に遅れをとっているということ(おそらくアフリカはより顕著に)。途上国で出会う中国人やインド人が必ずその国で商売をしているのに対して、日本人のほとんどが援助・慈善事業の仕事をしている。もちろん援助は大事なのだけど、やはりビジネスでも今から食い込んでいかないと、残念だけど長期的に日本経済はおいていかれるだろう、という非常に納得できる考察。遠く離れた海外から初めて日本を見つめなおした若者が「ああ日本はもうだめなんだ」という感想に至っているのはとても悲しい。でもそれを単なる無力感ではなく、日本にこだわらない国境を越えた活動につなげようとしているから、今後に期待。

ほらね、そんなに草食ばっかりじゃないでしょう、いまどきの若者も!日本でカンニングしている受験生も見習ってほしいものです。

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