Saturday, April 9, 2011

変わる国際開発

エチオピア、ポーランド、ギリシャ&オランダ、日本、米国
南米代表が足りないなぁ
アフリカの真ん中にあってきれいで快適!というわけで、ルワンダは「会議観光」に力を入れていて、現代的な会議場や大型高級ホテルなどの開発を進めています。国際チェーンのヒルトン、マリオットも今大規模な建築プロジェクトを進めているところ。その効果だかは知らないけれど、大きな地域会議がルワンダであるとのことで、ニューヨークで働くエチオピア出身のクラスメイトが出張に来ました。2.5年前の卒業ぶりの再開!

彼が働くのは私もバングラデシュでお世話になった国連開発計画(UNDP)本部の南南協力部という部署。「南南協力(South-South Cooperation)」というのは、開発途上国の経済発展のために途上国同士で協力しあおうというイニチアチブのこと。高校の地理の先生に教わった記憶があるから、最近できた言葉では決してないわけだけど、ルワンダで暮らしていて最近ひしひしと現実味を帯びてきたこの「南南協力」。

一般的に国際協力、国際開発というと、きっとまず思い浮かぶのが日本や欧米といった先進国からの開発援助。この分野の仕事はほとんどが、先進国出身の人が途上国の発展のために働くパターンか、途上国出身の人が自分の国や地域の発展のために働くパターンという2つの構図のどちらかにはまります。お金やモノやノウハウの流れも、先進国から途上国に流れるのが主流。多くを持つ先進国が、持たざる途上国のために貢献する、そういうイメージ。

…であったはずなんだけど。

現実はちょっと違う、いや全然違う、というのをこのところ実感しています。何が違うって、途上国の経済発展に貢献しているのは先進国じゃなくて、むしろその他の途上国だということ。途上国同士がお互いの経済発展を押し上げている。先進国からやってくる投資や、ハイテクなモノや、経験豊富な人材を待たずとも、途上国間で経験・情報共有しながら開発を押し進める、そういう新たな構図がどんどん主流になっている。

ルワンダの例。日本でいう経済産業省にあたるルワンダ開発機構は、今年はアジアからの投資を倍増させると意気込んでいるのですが、はてこの「アジア」とは一体どの国のことを指すのか聞いてみたところ、答えは中国、インド、マレーシア、タイとのこと。日本は?と聞くと、日本や欧米は(情報やプロセスなどの)要求が高くスピードが遅いので、あまり関心ないんだそう。がーん。

回りを見渡せば、大規模な会議場やホテル建設などを請け負っているのはどれも中国資本。インドからも投資を検討する使節団が毎月ペースで来ているらしい。日欧米の先進国と違って、こういった中進国にとっては、ルワンダのインフラ・労働力のレベルや政治経済の不安定さは自国と同レベル(かそれより低いか…)だから、あまり大きなリスクとみなされず、投資にとっても前向きなわけです。

更に身近なところを見渡すと、そういえばルワンダでよくみかけるインド系の公衆衛生専門家。マラリアとか、HIVエイズとか、母子健康などの保健分野サービスの向上を専門にする人たちのことなのだけど、インドで経験を積んだインド系の若いプロフェッショナルが多い。国は違えど、途上国の現場には似ている問題が多いわけで、きっとインドでの現場経験が評価されるんでしょうね。ちょっと意外。

国際開発もどんどん変わっていくねぇ、と一緒に勉強した仲間同士でこういう話をしていたわけなんだけど、タイミングよく同じようなテーマの調査レポートを仕事で読むことに。アジア開発銀行から発行されたこちらのレポートでは、途上国間の貿易・投資の拡大が焦点。先進国も、その先の最終消費者として途上国の経済開発における大きく貢献しているらしいのだけど、それだけじゃ将来、世界経済から完全においてけぼりにされるよなぁ…と不安になってしまう。先進国も、途上国と一緒に変わっていかないとねぇ。

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